御曹司は眠り姫に愛を囁く
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仕事を終えたのは19時過ぎ・・・
須藤さんが話していた『プラチナプラザホテル・赤坂』のロビーに足を踏み入れる。
赤坂は政治の中枢・永田町や霞が関に近い場所。
銀座と並ぶ高級な繁華街として栄えた。
天井は高く、足元のカーペットは程よい厚みで柔らか、どこまでも清潔で上品の雰囲気の格式のあるホテルだった。
ここまで来ても、私では椎名さんが出入りする会員制高級ラウンジ『プラチナ』には入れない。
このまま、何もせずに帰ってしまうのは勿体ないから、一階のカフェで軽食を食べて帰ろうと反転すると目の前には、室雨さんの姿が。
「貴崎さん?」
「室雨・・・さん?」
「ここで何をしているんですか?お友達と待ち合わせですか?」
「いえ・・・須藤さんから・・・椎名さんが夜な夜な、ここにあるラウンジに出入りしているコトを訊いて」
「そうですか・・・そうなんです。支社長、社長と喧嘩してから、おかしくなって・・・困っているんです」
「・・・」
「仕事には手がつかず、飲む酒の量は増えて、止めたはずの煙草も吸って、何より・・・女・・・いえ」
室雨さんは口を噤んだ。
「女遊びするのは、社長である父親から強引に政略結婚を勧められているからだと思います。須藤さんにもそう説明しました」
「政略結婚??」
「はい」
「俺は何も知りませんでした」
仕事を終えたのは19時過ぎ・・・
須藤さんが話していた『プラチナプラザホテル・赤坂』のロビーに足を踏み入れる。
赤坂は政治の中枢・永田町や霞が関に近い場所。
銀座と並ぶ高級な繁華街として栄えた。
天井は高く、足元のカーペットは程よい厚みで柔らか、どこまでも清潔で上品の雰囲気の格式のあるホテルだった。
ここまで来ても、私では椎名さんが出入りする会員制高級ラウンジ『プラチナ』には入れない。
このまま、何もせずに帰ってしまうのは勿体ないから、一階のカフェで軽食を食べて帰ろうと反転すると目の前には、室雨さんの姿が。
「貴崎さん?」
「室雨・・・さん?」
「ここで何をしているんですか?お友達と待ち合わせですか?」
「いえ・・・須藤さんから・・・椎名さんが夜な夜な、ここにあるラウンジに出入りしているコトを訊いて」
「そうですか・・・そうなんです。支社長、社長と喧嘩してから、おかしくなって・・・困っているんです」
「・・・」
「仕事には手がつかず、飲む酒の量は増えて、止めたはずの煙草も吸って、何より・・・女・・・いえ」
室雨さんは口を噤んだ。
「女遊びするのは、社長である父親から強引に政略結婚を勧められているからだと思います。須藤さんにもそう説明しました」
「政略結婚??」
「はい」
「俺は何も知りませんでした」