御曹司は眠り姫に愛を囁く
彼の最後の通告を退けると彼が肩を抱き、軽く唇を重ねた。

「シャワー先に浴びる?」

「いえ、先に浴びて下さい・・・私は残りの水飲んで、グラスを洗います」

「そう…じゃ先に‥浴びるね。凛音」

唐突に名前を呼ばれ、ドキリとする心臓。

彼は腰を上げてバスルームに消える。
私も立ち上がり、残りのグラスの水を飲み干して、キッチンのシンクでグラスを洗う。


彼が熱を出して看病した時、キッチンに立ち、お粥を作ったコトを思い出した。

グラスを洗い、水切りカゴに入れるとリビングのソファに戻り、再び腰を下ろした。

時間が長く感じられる、スマホでSNSをチェックしているとバスローブ姿の彼が私を呼びに来た。

「上がったよ」

彼は首に掛けタオルで、髪の水気を拭きながら私の前に立つ。

「俺は奥のベットルームで待ってる。誰かがおいてった女性用のボディソープやシャンプーとリンスもあるから…それを使うといい。タオルも適当に使ってくれ」

「うん」

洗いざらしの髪から香る彼のシャンプーは柑橘系のフルーティな甘さの落ち着く匂い。
無造作に来たバスローブから覗く鎖骨と胸許に男の色気を感じ、ドキマギする。





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