御曹司は眠り姫に愛を囁く
俺と凛音はお互い様。

そう深く胸に刻み、罪の意識から逃れた。

ともかく俺は酷い男を演じて、彼女を弄ぶ。

―――――愛を囁けるのは彼女が眠る時だけ。

*******

兄貴が俺に会いにオフィスを訪れた。
そして、俺に衝撃的な事実を告げる。

「マンションは要らないってどう言うコト?」

「気が変わった・・・」

兄貴は悪びれる雰囲気はなく、飄々と言い捨て、ブラックを啜った。


「兄貴達の為に、俺は部屋をリフォームしてんだぞ!」

「お前だってどうせ…結婚するんだろ?お前の新居にすればいい・・・」

「新居と言っても・・・子供部屋は・・・最初から要らないし・・・」

「・・・じゃ、さっさと子供を作ればいい」

「俺を何だと思ってるんだ?」

「・・・俺の分身だ・・・」

俺は兄貴に心の底から殺意を感じるぐらいの強い怒りを抱いた。


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