御曹司は眠り姫に愛を囁く
「兄貴、休憩室で、凛音と一緒にランチ食べていたけど…何話していたの?」
「・・・お前と相葉さんのコトだ。俺の口から相葉さんとの授かり婚を貴崎さんに話した」
「そっか・・・で、凛音はなんて言ってた?」
「何も言わなかった。ショックだったんだろう・・・」
一途に不実な弟を愛して、交際を続けた彼女。
一番、今回のコトで傷ついているのは彼女で、俺がどんなに慰め、励ましの言葉を紡いでも彼女はうわの空だった。
ーーーー俺が一層のコト、稜から彼女を奪ってしまえば、傷つくコトはなかったのかもしれない。
イベントスペースに戻るとお客様を案内して来た彼女と遭遇した。
「ありがとう。兄貴」
彼女に合わせる顔がない稜は、彼女が自分の姿に気づく前に逃げてしまった。
お客様を係の者に任せ、彼女はリビングコーナーのショールームを眺める。
彼女の目線の先にはウッドタイプのアンティークのフロアスタンド。
細部の装飾がお洒落で、ファブリックシェードの暖かみある光が優しい。
「貴崎さん」
「あ…副社長」
「これ欲しいの?」
「あ・・・いえ…素敵なデザインだなと思いまして・・・」
「7万円か・・・このデザインでこの値段なら、お手ごろだと思うよ。買ったら?」
「いえ・・・遠慮しておきます」
貴崎さんは軽く笑い、1階のカウンターに戻ってしまった。
「・・・お前と相葉さんのコトだ。俺の口から相葉さんとの授かり婚を貴崎さんに話した」
「そっか・・・で、凛音はなんて言ってた?」
「何も言わなかった。ショックだったんだろう・・・」
一途に不実な弟を愛して、交際を続けた彼女。
一番、今回のコトで傷ついているのは彼女で、俺がどんなに慰め、励ましの言葉を紡いでも彼女はうわの空だった。
ーーーー俺が一層のコト、稜から彼女を奪ってしまえば、傷つくコトはなかったのかもしれない。
イベントスペースに戻るとお客様を案内して来た彼女と遭遇した。
「ありがとう。兄貴」
彼女に合わせる顔がない稜は、彼女が自分の姿に気づく前に逃げてしまった。
お客様を係の者に任せ、彼女はリビングコーナーのショールームを眺める。
彼女の目線の先にはウッドタイプのアンティークのフロアスタンド。
細部の装飾がお洒落で、ファブリックシェードの暖かみある光が優しい。
「貴崎さん」
「あ…副社長」
「これ欲しいの?」
「あ・・・いえ…素敵なデザインだなと思いまして・・・」
「7万円か・・・このデザインでこの値段なら、お手ごろだと思うよ。買ったら?」
「いえ・・・遠慮しておきます」
貴崎さんは軽く笑い、1階のカウンターに戻ってしまった。