御曹司は眠り姫に愛を囁く
部屋をリフォームか・・・

目黒川沿いを走り、品川へと向かう。


東京湾に面したウォーターフロント(総称は東京ベイランド)は南側からコンベンションセンターやアウトレットモールやアミューズメント施設に三ツ星ホテルなど施設が立ち並び、様々なタワーマンションが林立するエリアに到達すると、それに伴い、複合型商業施設やする学校や病院、役所と言った公共施設が作られ、箱庭型の街となっていた。

子育て世代のファミリー層で賑わう都内でも活気のある場所。

タワーマンションの集中エリアは倉庫や冷蔵・冷凍施設、コンテナターミナルのある品川ふ頭で途切れてしまう。

品川はその手前のエリアの最後の場所で、椎名さんの住むマンションは最上階が25階で、タワーマンションから見れば、低層のマンションに見えてしまう。


「朝のエレベーターラッシュにモノレールの通勤ラッシュは大変らしいよ。
その点、ウチはまだ、マシだから・・・」

「そうなんだ・・・」
部屋に到着すると須藤さんが玄関先で土下座して、私たちに頭を下げた。

「悪い。瑛」

「・・・別にいいよ。ほら、顔上げて・・・貴崎さんも居るんだから・・・」

「あ・・・そうだった・・・」

須藤さんは顔を上げて、私と目を合わせる。



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