御曹司は眠り姫に愛を囁く
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飲み過ぎて、朝起きられない陸翔の代行で、俺は彼女のマンションまで車を走らせた。

目黒川沿いのブラウンのタワーマンション。

「ここだよな・・・」
俺は車を停止させ、目をパチパチさせてタワーマンションの入り口を見つめる。横浜ではワンルームマンションに住み、7万円のスタンドの購入にも躊躇していた貴崎さんに何が起こったんだ?


俺は車を停めようと地下の駐車場に続く坂を下り、来客用の駐車のスペースに車を停めて、地下のオートロックの操作盤で彼女の部屋番号を入力し、インターホンを押した。

応対した彼女はまだ準備の真っ最中。
俺は待ち合わせ時刻よりも30分以上早く到着してしまったようだった。

俺は彼女の準備ができるまで、部屋で待つコトに。


この部屋は父親の知り合いの『浅見設計』の浅見社長の計らいで借りていると説明した。
俺は納得した。

しかし、一人暮らしには広すぎる空間。家具は最低限度の物しか置かれていない。

俺は家具の目利きは優れている。
彼女の購入し、置かれている家具はホームセンターや通販で購入できる安価な家具ばかり。



でも、インテリアのチョイス、見せる収納センスは抜群だった。
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