御曹司は眠り姫に愛を囁く
薬指の真実
「君は瑛のコト、好きだよね・・・」

「えっ?」

「瑛と再会した時、彼の左手の薬指のリングを見て、君はショックを受けていた。
俺はその時から分かっていた。凛音が瑛のコトを想ってるって」

「陸翔・・・さん?」

「瑛の着けているリングは亡くなられた曾爺様の形見・・・アウトレットモールで一緒に居た女性は、瑛の義理の姉。兄の椎名崇衆議院議員の奥様・愛梨(アイリ)夫人だ」

「!!?」

椎名さんの奥さんじゃない?兄の椎名崇衆議院議員の奥様・・・


「どうして!!?私に嘘を付いたの?」

「・・・俺が瑛に嘘を付かせた・・・元々、瑛はあの部屋はそのまま崇様たちに譲るつもりでいたけど。君が勘違いしているのは逆手に取って、瑛にリフォームを勧めて、嘘を嘘だと見破られない為に俺が細工をした。
君を手に入れる為に・・・」

「・・・」

「俺もバカなコトをしたと後で後悔した。俺は知っている瑛が君の隣に住んでいるコトも・・・でも、君の口から一言も訊けなかった。
君はやはり…瑛が好きなんだね・・・」


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