World End 〜七情の泉〜
「きゅ、救世主さま!? 如何なさいました!?」
「この格好なに!? あなた誰!? ここ何処!?」
矢継ぎ早な質問に侍女は慌てふためいた。
翼は眠れば夢は覚めるものだと思っていたのに、変わっていない室内にテンパっている。まさかまさかとは思いながらも、俄かには受け入れられず、どうにか夢である事を証明したかった。だが夢の証明を見つけるどころか、探せば探すほど現実である事を突きつけられる。
知らない室内に知らない侍女。膝下から足先まで巻かれた白い包帯。その包帯の下から感じる痛み。
コンコンコン。
「は、はい!」
ドアがノックされ、侍女は慌てて返事をした。
「ローゼンバーグです。 叫び声が聞こえた様ですがどうかなさいましたか」
_この声……。
翼は慌ててベッドから飛び降りた。足をついた衝撃で痛みが走る。それでもドアに向かう足は止まらない。痛みよりも急く気持ちの方が強かった。
勢いよく扉を開けると、驚いた顔のローゼンバーグと視線が合った。小柄な翼が少し無理して首を曲げなければ視線が合わない程背の高いローゼンバーグ。
「やっぱり昨日の……」
鎧こそ着ていないが、ローゼンバーグの彫りが深く整った顔を忘れるわけがなかった。
ローゼンバーグは優美に片膝をつき、翼を見上げた。
「おはようございます。 ご挨拶が遅くなりましたが、わたくしこの国の騎士団総長を務めております、グラハム・ローゼンバーグと申します。 以後お見知り置きを」
これは夢の続きなのか、それとも現実なのか……混乱は増すばかりだった。
「この格好なに!? あなた誰!? ここ何処!?」
矢継ぎ早な質問に侍女は慌てふためいた。
翼は眠れば夢は覚めるものだと思っていたのに、変わっていない室内にテンパっている。まさかまさかとは思いながらも、俄かには受け入れられず、どうにか夢である事を証明したかった。だが夢の証明を見つけるどころか、探せば探すほど現実である事を突きつけられる。
知らない室内に知らない侍女。膝下から足先まで巻かれた白い包帯。その包帯の下から感じる痛み。
コンコンコン。
「は、はい!」
ドアがノックされ、侍女は慌てて返事をした。
「ローゼンバーグです。 叫び声が聞こえた様ですがどうかなさいましたか」
_この声……。
翼は慌ててベッドから飛び降りた。足をついた衝撃で痛みが走る。それでもドアに向かう足は止まらない。痛みよりも急く気持ちの方が強かった。
勢いよく扉を開けると、驚いた顔のローゼンバーグと視線が合った。小柄な翼が少し無理して首を曲げなければ視線が合わない程背の高いローゼンバーグ。
「やっぱり昨日の……」
鎧こそ着ていないが、ローゼンバーグの彫りが深く整った顔を忘れるわけがなかった。
ローゼンバーグは優美に片膝をつき、翼を見上げた。
「おはようございます。 ご挨拶が遅くなりましたが、わたくしこの国の騎士団総長を務めております、グラハム・ローゼンバーグと申します。 以後お見知り置きを」
これは夢の続きなのか、それとも現実なのか……混乱は増すばかりだった。