World End 〜七情の泉〜
ガイアは手のひらを上に向け口元へ運ぶと、フーッと息を吐いた。すると二人を囲む様に大きな光の球体が7つ広がった。


光の玉が次々と景色を映し出していく。



「なに……? 何なの……?」



困惑の表情を浮かべた翼は右、そして左へと顔を向ける。全ての球体に視線を向け、眉間のシワを深くしていく。



「そなたの居る新たな世界の景色だ。 この世界は7つの国で成り立っている。 それぞれの国には神泉と呼ばれる大きな泉があるのだが、7つのうち6つが既に穢(けが)れてしまった」

「だから? それが何!? 私と何の関係があるの!?」



悲痛な叫びが木霊した。


_そんな話をしてほしいわけじゃない! そんな事どうだっていい! 嘘だって…夢だって言ってよ!!!!


言葉にならない想いが胸中に広がる。苦しみに歪む翼の顔を見ながらも、やはりガイアの表情は変わらない。淡々と、そして感情の読み取れない表情をしている。



「この7つの泉全てが穢れてしまえば、この世界は終わりを迎える事となる」

「は? え? 何? どういう事?」

「その穢れを祓えるのはそなただけだ」



更に非現実的な話になり、翼は口を開けたまま固まった。クリッとしている瞳もこれでもかというくらい見開かれている。



「元々居る住人は穢れた泉に触れる事は出来ない」

「……どうして?」

「穢れを貰ってしまうからだ」

「貰ったらどうなるの?」

「徐々に我を忘れていく。 最終的には自我を失い化け物へと成り果てる。 そなたは既に成れの果てを見たであろう?」





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