World End 〜七情の泉〜
リタは翼の専属の侍女で身の回りのお世話をしてくれる。甲斐甲斐しくお世話をされることに慣れていない翼は戸惑う事もあるが、『私に仕事をさせて下さい』と切実にお願いされ、断る事ができなかった。


王宮で＿それも侍女や執事など、王族に仕える事はこの上ない誇りなのだと教えられた。その為、貴族の子息や令嬢の憧れの仕事でもある。それほど夢のある仕事なのに、自分に仕えることになってしまったリタを不憫に思った。


＿私一般人だし…しかもこの世界の人じゃないし……。



「お身体は本当にもう大丈夫でございますか？」



ソンジュに声をかけられ、翼は笑顔を作った。



「もうどっこも痛くないよ」

「それは良かったです。 わたくしもいつかガイア様にお会いしとうございます」



ガイアとの対面を果たした後、目を覚ますと翼の身体中にできていた傷や痣は綺麗になくなっていた。身体が元気になった勢いのまま、翼はソンジュを呼び話をした。ガイアに世界の穢れを払ってほしいと頼まれた事を話すと、深々と頭を下げられ『無事に元の世界へお帰り頂けるよう、全力で救世主様をお守りいたします』と静かながらも力強さを感じる声でそう告げられた。


話の内容はすぐ様ローゼンバーグ、カプアーノ、そして国王陛下にも伝えられた。プレジール国の代表である国王陛下は、唯一この世界を救える存在である翼と全面協力をする約束を結んだ。





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