ケモノ系ケモノ型男子。
カラスとウサギ
「よう、久しぶりだな」
「げっ!黒谷さん……」
「げっとはなんだぁ梶村?お前だれが前野にシメ技教えたと思ってる?」
「あてててててててて!死にますこれ!折れるやつです!助けて内山!!」
「黙れ犬」
「内山ぁぁぁあ!!!」
「ははは!相変わらず犬猿の仲だなー」
うわぁ……ほんとに来た。
てゆーかいきなりすぎるでしょ!
グラウンドで練習してたら突然フェンス超えてきて!
コーチも許してんじゃないよ!
私は思わず近くの木に隠れた。
「わー!黒谷さんだ!」
「本物だすげー!」
「あのドS魔王だー!」
「噂通り超イケメンー!!」
黒谷先輩を噂でしか知らない1年生がはしゃいでいる。
「2年、3年。お前ら何吹き込んだ?」
「いやいや!黒谷さん陸上部以外でも有名でしたから!」
前野先輩が黒谷先輩を宥める。
どうやら黒谷先輩は私のことは気にしていないようだ。
このまま黒谷先輩が帰るまで隠れていよう。