ケモノ系ケモノ型男子。
「じゃあ私はこれで……」
「待って!名前聞いてない」
名前を起き得る義理なんてないけど……この場から早く逃げたい一心で教えてしまった。
「森ノ宮高校二年、白井 明香!」
「へー君が白井って子かぁ」
なんだろう。一瞬誰かに似た顔したような……。
「おーい!ここにいるよー!白井ー!!」
はーーーー!?こ、この男正気!?
「あ、白井さーん!」
梶村くんも手振らなくていいから!!
その瞬間黒谷先輩と目が合った。
「白井……」
先輩が私を見た。
久しぶり見る黒谷先輩は見てわかるぐらいもうすっかりスポーツマンの体型をしていて、
高三の時とは比べ物にならないぐらい体全体がガッシリしてた。
てゆーか無理!あの顔を直視できない!!
黒谷先輩に見られるのが嫌で私は全速力で走った。
私だって去年と違ってだいぶ力もついたし、追いつかれることはないと思っていた。