ケモノ系ケモノ型男子。
「待てコラ!」
「きゃー!!!」
なんでなんで!?さっきまで私と先輩の間に結構距離あったはずだよ!?
なのになんで……
「俺から逃げられると思ってんのか!!」
「きゃー!きゃー!!きゃー!!!」
黒谷先輩は私のすぐ後ろまで来ていた。
後ろの襟を掴まれて私は黒谷先輩の方へと倒れる。
しかもこの状態…私先輩に後ろからガッシリ抱き掴まれてるよね。
生憎この場所はあまり人が通らないから騒がれることはないけど……
「し~ろ〜い〜……」
「ひぃっ!ごめんなさいごめんなさい!!」
黒谷先輩の鬼の形相が間近で余計怖い!!
「いひゃぃれす〜!」
「俺を走らせた罰だ」
頬をつねられてうまく喋れないんですけどー!
てゆーかあんな顔で追いかけてきたら誰だって逃げるって!
「だいぶ早くなったようだが…まだまだだな」
「相変わらず嫌味しか言いませんね」
「本当のことしか俺は言わん」
あーそうでしたよね。
何でもズバズバ言う人でしたよねー。
「…………先輩、近いです」
「知ってる」
知ってる!?知っててわざと顔近づかせてるんですか!?
「黒谷先輩ホントに近いです!」
「そうだな」
もうダメだって!このままじゃ私、先輩とキ……
「白井、部活おわったらグラウンド残れ」
え。
す、寸止めされた?
「嫌です」
「50周……」
「わー!残ります!残ります!!」
なんなのこのカラスキャプテンはーー!!?