ケモノ系ケモノ型男子。
部室の中は相変わらず汚かった。
「相変わらず散らかってるな」
そこらじゅうにおかしや靴下、誰かのパンツが落ちてたりする。
初めて入った時汚すぎて中に入れなかっなー。
もう慣れたけど。
「毎年掃除してますけど3日で元通りになっちゃうんですよね」
「そうそうそんな事言ってたっけ」
こうして黒谷先輩の話すのは久しぶりだ。
出会った頃は説教か嫌味で悪いイメージしかなかったけど、
私が頑張るにつれ先輩はだんだん優しく接してくれてたっけ。
黒谷先輩は部室の壁にもたれかかって私の方をむく。
「白井」
「あ、はい」
「あの時は悪かったな」
「えっ」
あの黒谷先輩が…私に謝ってる!?
「あ、あの。あの時って…?」
「おまっ…言わすかそれ。……はぁ〜。引退式の帰り道でお前に抱きついたこと……」
あ、あ!あ〜!!
私も掘り返したくなかったんだけどなぁ。
「あの日はどっちともおかしかったっていうか……私もわがまま言っちゃったりして…」
「いや、俺は本気だったよ」