ケモノ系ケモノ型男子。
へ?
「俺はあん時本気でお前に伝えたつもりだった」
「じょ、冗談とか…」
「あ、の、なー!お前があん時泣いて俺を止めなかったら俺だって一生あんな恥ずかしい言葉言うつもりなかったんだからな!!」
ええ〜だってあの時は……
黒谷先輩がいた日常がなくなってしまうのが嫌で……。つい。
「私はただ…黒谷先輩に…行ってほしくない一心で…………すみませんでした…」
告白された瞬間怒られたんだけど…。
「……別に…。謝ってほしかったわけじゃない。俺が謝りたかっただけだ」
分からない。
あんなけ嫌味しか言わなかった先輩が私を好きになるなんて。
「先輩は、どうして私を好きになったんですか?」
「わっかんねぇよ。最初はただのチビだと思ってたし、途中からクソ生意気な後輩になりやがって…。でもお前を好きになる理由はいっぱいあったと思う」
そんだけ悪口言っといて……。
「お前が可愛かったのかな。すべて」
は…はあ!?
不意打ちで褒めてくるのなに!?
「俺がチビって言ったら休み時間牛乳飲んでたり、図書館に行って陸上競技について調べてたり、誰よりも長く残って練習してたり、足の動きを調べるために俺の走ってる姿をチラチラ見てたり……」
「わぁぁぁあ!!ストップストップ!なんで知ってるんですか!!」
めちゃくちゃコソコソしてたのに……!
「バレバレなんだよ」
深海があるなら潜りたい…。
「それが全部可愛かったんだよ!ばーか」
ムニュッ。
頬を顔の中心に押し付けられる。
「むぐぐぐっ…」
「…変な顔」