ケモノ系ケモノ型男子。
…うるさいな。
「白井、俺と付き合わねーか?」
頬を押し付けていた手を離して真面目な顔をした黒谷先輩は、今まで見たことない顔をしてた。
目の前にいるのは私を好きな男の人。
「…………ごめんなさい」
……これしか言うことがなった。
人生で告白されたのはこれで2度目だ。
なんで私みたいな女を好きになるんだろう。
「……そっか、だよな」
そんな顔しないでよ。
調子狂うじゃない。
「……帰るか」
先輩は何事もなかったかのようにスッと立って私を通り過ぎて部室のドアに手をかける。
「先輩!」
黒谷先輩がドアを開けた瞬間、私は先輩の服の裾を掴んだ。