ケモノ系ケモノ型男子。
春休みが始まって10日後のことだった。
「明香、お前に話がある。いつもの神社のところに来てくれ」
突然きーちゃんから電話が来て、緊急事態なのかと思い、私は慌てて神社へ向かった。
「なに?どうしたの?」
「明香」
その日のきーちゃんはいつもと違って見えた。
「ど、どうしたの?こーくんはいないの?」
「いないし、来させない」
「えっ…?」
どうしたんだろう。また喧嘩したのかな?
でも今回は本当に怒ってるみたい。
「なあ明香、俺ずっと思ってたんだけどさ、お前は俺と幸太郎のことをどう思ってる?」
どうって……
「友達……大切な友達だと思ってるよ」
「……やっぱそう思ってるよな」
どうしたんだろう。
私なにか悪いことしたのかな……。
「俺は正直焦ってるんだ。高校に入って明香が他の男に取られないか」
「何言ってんの…。私誰からも告白されたことないんだよ?そういうのとは無関係だよ」
「それは……俺と幸太郎が追っ払ってたからだよ」
ええ!?なにそれ!
「ホントはお前、中学ではほとんどの男に狙われてたんだぞ」
ま、まっさかぁ。
「俺が嘘つくと思うか?」
「あ。思わないです…はい」
きーちゃんは冗談を言うタイプではないからね。