ケモノ系ケモノ型男子。





「お前は変な所疎いから本当にあぶなっかしい」



それお母さんにも言われた気がする。




「ドジだしバカだし一方通行な事しか考えられなくなる」




それは……今きーちゃんに言われた。





「でもそんなお前がいるおかげで俺は毎日が楽しい」




「えっ?」





「困っている人がいたらすぐ助けに行くし、悲しんでいる人がいたら見捨てずにはいられない。明香は優しい心を持っている」




ちょっと急に褒めないでよ…。



どう反応したらいいか分からないじゃん。




「お前のそういう所全部含めて俺は好きなんだ」





「?…ありがとう?」




「…………まだ気づかねーのかバカ女」




「バッ…バカとはなんだバカとはー!」




「本当のこと言っただけですー」




もう…さっきからなんなのよきーちゃんは!




「私だってきーちゃんのこといっぱい知ってるもんね!」



「はあ?」




「怒りっぽいし喧嘩っぱやいしタラシだし自慢ばっかするし!」



きーちゃんが怒りそうになってる。




「でも、話上手だし強いしかっこいいし優しい!どう?あってるでしょ!」




さっきと違ってきーちゃんは顔を赤くしていた。




「…………全然違うっつーの」



「ええ!そんなぁ……」







「俺のことは俺が一番よく知ってる。かっこいいのは当たり前。頭良いしスポーツだってできる。喧嘩は売られたらする。強いからな!怒ってるんじゃねぇ叱ってるんだ。あと俺はタラシじゃねぇ!!一途だ!!」




私の言ったことを全否定してきた。

なんて奴だまったく。






「てゆーか、一途って……誰のことが好きなの?」




そう言った途端、彼は姿勢を正して私と目を合わせた。







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