ケモノ系ケモノ型男子。
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「きーちゃん…なの?」
1年とちょっとしか会えてなかったけど、
この人はきーちゃんだと思う。
「私…明香だよ!陸上部に入ったんだ!こーくんもグラウンドにいて………」
「うるせぇよ」
「えっ…」
「どの面下げて俺に話しかけてんだよ」
この人は間違いなくきーちゃんだけど…
私の知っている明るい笑顔は消えて、
冷たい目で私を睨んでくるこの人は……
誰…?
「ご、ごめんなさい……あの時は私、きーちゃんのこと考えもなしにひどい事言ってしまって……」
怖い。
目の前にいるきーちゃんが…怖い。
「謝ってどうすんの?」
「…………っあの」
ジリジリ近づいてくるきーちゃんは1年前とは比べ物にならないぐらい大きくなっていた。
後ろに後ずさりしていると、とうとう壁についた。
「きーちゃん……どいて」
私に迫り来る彼が怖くて体が動かない。