ケモノ系ケモノ型男子。
女子更衣室に入って自分のロッカーを開ける。
「わー!また焼けちゃったよもー」
「やばーいマスカラ取れかけなんだけどー」
「汗ふきシート誰か持ってないー?」
陸上部の女子は私とマネージャー三人。
陸上部の男子部員は28人いて、少ない女子部員で私は唯一の選手。
1年の初めは陸上部に入る気なんて全くなかったけど、中庭で走っていたら前野先輩にスカウトされたのだ。
「いいフォームだな!陸上部に入らないか?」
好奇心で入った陸上部。
入りたてはただただきつくてしんどくて、ゲロも吐いた。
でも先輩が私のタイムが早くなる度に
「さすが俺の見込んだ選手だ!」
って褒めてくれるのが嬉しくてなんとか続けることが出来たのだ。
走り続けて一年半、今では県大会にまで行けるレベルになれた。