ケモノ系ケモノ型男子。



やめてよきーちゃん…そんな訳ないじゃない。



梶村くんみたいな良い人が私なんかを好きになるわけ……








「───っああそうだよ!好きだよ!めちゃくちゃ惚れてるよ!悪いか!?」





えっ……。



驚きと恥ずかしさで顔が赤くなる。




でも梶村くんは私より顔が赤くなっていた。






「はははっまじかよ!とんだ馬鹿だな!」



「んだとぉ!?そういうお前こそどうなんだよ!」





きーちゃんはフッと笑う。







「嫌いだね。大っ嫌い」






大嫌い、か。




分かってたはずなのに…




なんでこんなに傷ついちゃうんだろう。





「この女がいる森ノ宮も嫌いだし、幸太郎も嫌いだ。ついでにお前も嫌いだ梶村」




「俺だって嫌いだよお前みたいな奴!さっさと離れろ!」




「へーへー、後はお二人さんで仲良くしてな」





きーちゃんは私達を置いてスタスタとグラウンドの方へ歩いていった。






「白井さん大丈夫?」




きーちゃんが離れた瞬間、腰が抜けてその場でへたりこむ私に梶村くんが慌てて駆け寄ってくれた。





「いいよ、優しくしなくて」




「え?」







「さっき……私のこと好きって言ってくれたけど、私梶村くんのことそういう目で見たことないんだ、一度も」




前野先輩以外の男の人は本当にそういう目で見れない。





「こんな私だから、今まで付き合ったこともないし、男の子の事を考えることだってなかったし、男女の友達がどういう関係かも理解しようとしなかった。そしてきーちゃんを傷つけてしまったんだ……」




「きーちゃん?」




「さっきの男の人、本名は獅子王 キラっていうだ。こーくんと私の幼馴染で、私はきーちゃんって呼んでるの」




「そっか……幼馴染だったんだ」



そう、大事な幼馴染。




「友達だと思ってた人と付き合うとか……そういうのまったく考えたことないし、分からないんだよね。それが怖くて今まできーちゃんの気持ちを気づいてあげられなかったんだ」



ほんとつくづく馬鹿なんだよ私。




「だから梶村くんとはこれからも仲のいい友達でいたい。私なんかより良い女の人はいっぱいいるから……」




「白井さんが嫌なら付き合わなくたっていい!」




梶村くんの大きい声に体がビクッとした。




「白井さんが付き合ってくれなくても…俺が白井さんを好きだから!俺が…勝手に!白井さんに惚れてるだけだから!!……本当はめっちゃ付き合いたいけど!!俺は白井さんを困らせたくない…………」






なんて良い人なんだろう。



なんでこんな優しい人が私なんかを好きになったんだろう。




梶村くんだけじゃない……



黒谷先輩も…。

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