ケモノ系ケモノ型男子。
「……付き合わない。約束は約束、私がなかったことにできる権利はないよ。」
私は腕を伸ばしてきーちゃんから離れた。
「……お前らしいな」
ボソッと言ったあときーちゃん私に背を向けて元来た道を歩き始めた。
「勝つのは俺だ」
「私達だよ」
後ろ姿のまま立ち止まって言ってきた彼に私も強気で返した。
そしてきーちゃんの姿が見えなくなった瞬間、
「ふぁぁぁぁあ……!」
一気に体の力が抜けてその場にしゃがんだ。
どうしよう……私……間違ってないよね?
これで……いいんだよね?
てゆーか…
「不意打ちであのセリフはずるい……」
もしかして、
きーちゃんはまだこんな私のことを好きでいてくれてたりするのかな……?
……まさかね。
「もう……訳わかんないよ」
好きとか…付き合うとか……
やっぱり私には向いてない。
そんなモヤモヤした感情を抱いたまま私は観客席へと向かった。