ケモノ系ケモノ型男子。





3人の走り出しはほぼ同時だった。





だけど早くもトップスピードを出すきーちゃんが2人から少しずつ距離をあける。





「……バケモンかよ」





隣いる前野先輩が苦笑するほどきーちゃんは早い。





まるできーちゃん以外の選手が彼を目立たせるために走らされているように見えてしまう。





「頑張って……梶村くん…こーくん」






私は顔の前で両手をギュッと握り締める。









……お願いします神様。






どうかこの大会だけでもいいので2人を勝たせてくたさい……。











お願い…………!






「明香先輩見てください!内山さんが!」






薫くん声に私はパッと前を向く。







「こーくん……!」





なんとこーくんがきーちゃんと並んでいたのだ。






そのすぐ後ろに梶村くんもいる。








「すごい…すごいよ二人とも!」







今まで見たことない険しい顔で走る3人。







そしてもうすぐゴール地点。







「いっけぇぇえ梶村!内山ぁ!」







「いけーーーーー!!!」






私と前野先輩の叫びと同時にレースが終わった。
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