遠距離の彼 と 近距離の同期
だけど、切った後も天からの着信が鳴り続ける。

……… 天 ……… 天 ……… そら…

天に会えなくなる事がこんなに辛いなんて、思わなかった。


私は、スマホの電源を切った。


海翔にも連絡できないけど、天の着信を見てるのが辛くて、海翔を後回しにした。

海翔には、明日の朝、連絡して大阪に行けばいい。

仕事だったら、会社の近くのカフェかどこかに来てもらおう。


私は、それ以上、何も考えられなくて、ローテーブルに置いた妊娠検査薬を眺めてぼうっとしていた。


ピンポーン

玄関のチャイムが鳴る。

あ、宅配の再配達、頼んでたんだった。

「はい。」

私は、何も考えずに玄関のドアを開けた。
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