遠距離の彼 と 近距離の同期
「妊…娠…したのか?」

天が掠れた声で言った。

私はもう、肯定する事も否定する事も出来なくて、ただそこに座っていた。

「どうするんだ?」

天の声は、苦しげだが、穏やかだ。

もっと、怒ったり、罵ったりするかと思ってた。

「海翔の子だから…」

私はそれだけ言った。

「それは分かってる。

………それで? 産むのか?」

「生きてるんだよ?
ここに命があるんだよ?
殺せないよ。」

「分かった。

………じゃあ、俺が父親になる。」

「っ!?

簡単に言わないでよ。
海翔の子なんだよ。
天は、いつか絶対に嫌な思いをするに
決まってるよ。」

「それでも!!
俺は結と結婚したい。
必ず、結とその子を守るって誓うから。
だから、俺にその子の父親にならせて
くれないか?」
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