遠距離の彼 と 近距離の同期
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結局、その日私は海翔には、連絡できなかった。

電話したら、また泣いてしまいそうで…


翌日の朝、メッセージを送って新幹線に乗った。

『大切な話があります。
今から、新幹線に乗るので、会える場所を
連絡してください。』

『ごめん、今日も休日出勤。
お昼頃、終わると思うから、マンションの
前の喫茶店で待ってて。』

今回は、すぐに海翔からの返信があった。

私は、4月に不安な1日を過ごした喫茶店に向かった。

思えば、あの日すれ違ったのが、全ての始まりだったのかもしれない。

あの日、ちゃんと会えていれば、天に慰めてもらう事も、天と動物園に行く事もなかった。

だけど、今、そんな事を思っても、あの日に戻ってやり直す事は出来ない。

お腹の子だって、そんな繰り言ばかり思ってるお母さんじゃ、きっと嫌だと思う。
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