遠距離の彼 と 近距離の同期
「ふふっ
海翔らしい。」

「なんだよ、それ。」

海翔も笑って、ナポリタンを頬張った。



海翔の部屋は、本当にダンボールしかなかった。

テーブルすらない。

食器棚には、マグカップがひとつ。

鍋もやかんもなかった。

「これ、どうやって、生活してるの?」

「ほとんど外食。
マグカップに水を入れて、レンジで湯を
沸かして、インスタントコーヒーだけは
飲めるようにした。」

海翔は恥ずかしそうに笑う。

私はお茶を入れる事を諦めて、部屋の真ん中に座った。

すると、海翔が隣に座って肩を抱く。

そのまま口づけされそうになったから、私は海翔の肩を押して止めた。
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