遠距離の彼 と 近距離の同期

「マヌケ面って、何よ！
一瞬、真に受けそうになったじゃない。」

「くくっ
真に受ければいいのに。」

「いやよ。
小川天に振り回されてバカにされるなんて、
ゴメンだわ。」

「なぁ、お前、なんで俺だけフルネームで
呼ぶの？」

「え？ 何となく？
小川天って呼びやすいじゃん。」

「邪魔くさいから、天だけでいいよ。」

「天？」

「そうそう。」

「ふーん、じゃあ、そうする。」


2時間後、私たちは、お腹いっぱい食べて、店を出た。

ずっと苦手だった天だけど、今日は思いの外、楽しかった。

ま、奢りで美味しいお肉を食べられたからかもしれないけど。