政略結婚!?箱入り令嬢は俺様社長に愛でられています

 伯父の話を聞くともなしに聞きながら、私は目の前の皿に盛られた料理を間違い探しでもするようにじっと見つめた。

 やっぱり、と思う。

 ホワイトグループは私が勤めるホワイトモールのみならず、長年にわたりグループ全体をけん引してきた小売りメインのホワイトリテイリングを含めて、全体的に業績が悪化している。

 だからこそ伯父は、私が飛鳥商事に嫁ぐ代わりに得られる資金援助をもとに、グループ全体の立て直しを図ろうとしている。

 私は物事が思い通りにいきそうだと安心した様子で笑っている伯父をそっと見た。

 もし私が飛鳥井さんとの結婚を拒否すれば、伯父の計画はかなわず、ホワイトグループは音を立てて崩れ落ちるのだろうか。

< 180 / 343 >

この作品をシェア

pagetop