政略結婚!?箱入り令嬢は俺様社長に愛でられています
食事を終えて叔母とともにソファでくつろいでいる妹の横顔を見て、ぎゅっと唇を噛む。
ダメ。妹を私の身代わりに差し出すことはできない。
でも……。
私よりも物事をはっきり主張する珠里なら、伯父に強要されることを嫌がって白鳥の家を飛び出すことができるかもしれない。海外にでも渡って、自分のやりたいことに注力できるだけのバイタリティがあるかもしれない。
そこまで考えてから、やっぱりダメだと思った。
家族がばらばらになってしまったら、父も母もきっと悲しむだろう。
私が大人しく嫁ぎさえすれば、すべては丸く収まるのだ。