政略結婚!?箱入り令嬢は俺様社長に愛でられています

 珠里は嬉しそうにハロウィンパーティーの様子が収められたアルバムのページをめくっていく。仮装をした仲間たちと楽しそうに映っている写真には、妹の夢がぎゅっと詰まっていた。

「すごいね、珠里は」

 私がぽつりと言うと、スリーシーターソファの真ん中に座っている妹がきょとんと私を見た。

 同じ血を分けた姉妹なのに、はっきりした眉と人懐っこい大きな瞳は、どちらかといえば犬っぽい顔立ちで、猫顔と言われることが多い私とは顔も性格もあまり似ていない。

「すごいって、なにが?」

「やりたいことがあって、まっすぐ努力して、すごく強いじゃない」

 それはもう頑固と言い換えられるくらいに。

 私の言葉に珠里は明るく笑う。

「やだあ、なに急に。照れるじゃない」

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