政略結婚!?箱入り令嬢は俺様社長に愛でられています
「ちょっと、なに褒め合ってるのよ、このバカ姉妹」
叔母さんが急に後ろから私たちにかぶさってきて、珠里が「きゃあ」とはしゃいだ声を上げた。
「そうそう、見せたいアイテムがあるのよ。バイヤーがパリで見つけたんだけど、ものすごくかわいいの。私の部屋に行きましょう」
「え、見たい!」
飛び上がる勢いで立つ妹とは反対に、私は座ったまま叔母さまを見上げた。
「私は遠慮しておくわ。最近少し忙しくて疲れちゃったのかも」
「まあ大変。横になる?」
叔母が驚いたような顔になり、私は慌てて首を振った。
「ううん、平気よ。ちょっとおばあさまの部屋で休憩しててもいいかしら」