政略結婚!?箱入り令嬢は俺様社長に愛でられています

「ちょっと、なに褒め合ってるのよ、このバカ姉妹」

 叔母さんが急に後ろから私たちにかぶさってきて、珠里が「きゃあ」とはしゃいだ声を上げた。

「そうそう、見せたいアイテムがあるのよ。バイヤーがパリで見つけたんだけど、ものすごくかわいいの。私の部屋に行きましょう」

「え、見たい!」

 飛び上がる勢いで立つ妹とは反対に、私は座ったまま叔母さまを見上げた。

「私は遠慮しておくわ。最近少し忙しくて疲れちゃったのかも」

「まあ大変。横になる?」

 叔母が驚いたような顔になり、私は慌てて首を振った。

「ううん、平気よ。ちょっとおばあさまの部屋で休憩しててもいいかしら」

< 186 / 343 >

この作品をシェア

pagetop