政略結婚!?箱入り令嬢は俺様社長に愛でられています
十月に誕生日を迎えてから二か月が経つ。
婚約者に一度会ったきりで、当事者だというのに結婚式までの流れについてはほとんどなにも聞かされなかった。衣装合わせについてや、結納は略式で行うことなどが、ちらほらと母を介して伝えられるだけだ。
すべては伯父が取り仕切っていた。まずは結納式のために両家のスケジュールを調整しているらしいけれど、それがなかなか大変なようだ。
なにせ飛鳥井さんの父親である飛鳥井忠彦は飛鳥商事の代表取締役CEOでとんでもなく忙しい人だし、政治家であるうちの父も分刻みのスケジュールで動いていて、その予定は何ヶ月も先まで埋まっているような状態だ。