政略結婚!?箱入り令嬢は俺様社長に愛でられています
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土曜日は、久しぶりに休みだという母親と以津子さんの三人で自宅リビングでお茶をした。
アレクが足元に寝そべっている横で、女性三人で以津子さんが淹れてくれたお茶を飲む。
「この豆大福、おいしいわ。えんどう豆かしら、ごろごろ入ってて」
「でしょう? いつも行列になってるんですよ」
いつもは一緒に食卓を囲まない以津子さんも、家事を終えた休日の午後は、こうやって母や私たちと一緒にお茶をする。彼女は忙しい母に代わって私や珠里の世話を焼いてくれた、二人目の母親のような存在だ。
「そういえば今日、珠里と波瑠くんは?」
豆大福をほおばりながら尋ねる母に、以津子さんは穏やかに言った。