政略結婚!?箱入り令嬢は俺様社長に愛でられています

 彼女はシングルマザーで、もともとは波瑠を連れて白鳥本家で住み込みの家政婦として働いていた。

 この家が建って私たち家族が本家から移り住むと、母と同年代で仲が良かった以津子さんは、この家の近くにアパートを借り、忙しい母の代わりに家事をしてくれるようになったのだ。

 急須に湯を注いでリビングに戻ると、以津子さんが申し訳なさそうに立ち上がろうとする。

「いいから、座ってて」

 苦笑しながら、私は三人分の湯飲みにお茶を継ぎ足した。

 床暖房が気持ちいいのか、アレクはべたりと床に寝そべっていて、ぼんやりしていると踏みそうになる。

< 215 / 343 >

この作品をシェア

pagetop