政略結婚!?箱入り令嬢は俺様社長に愛でられています
窓の外は晴れているけれど、落ち葉が舞っていて寒そうだ。ついこの間秋が訪れたと思ったら、もうすぐ年末が来るなんて、時間はあっというまに過ぎてしまう。
窓の外を見ていた私に気づき、母がぽつりと言った。
「真珠……、本当に、いいの?」
振り向くと、ソファのとなりに座っている母と目が合う。五十歳には見えないほど若々しく肌艶もいい。
料理も掃除も苦手だけれど、優しくて、なによりも弁護士という仕事に誇りをもって働いている母に、私はずっと憧れていた。
お母さんみたいにかっこよく働きたい。小さい頃はそんなふうにも思っていた。
そんなささやかな私の夢を母は知っていた。だからこそ、心配してくれているのだ。
本当に、いいの? 結婚しても。