政略結婚!?箱入り令嬢は俺様社長に愛でられています

「平気よ。どんな相手でも」

 大丈夫、私は決めたのだ。

「真珠……」

「あ、旦那様」

 ふいに以津子さんが言った。つられてテレビに目を向けると、ニュース番組に父の姿が映っている。どうやら定例会見の映像が流れているらしい。

「あら、本当だ。パパってばテレビで見てもイケメンね」

 母がうっとりした表情で言う。この人は、今でも自分の旦那様に恋をしているみたいだ。

 仲のいい両親は、仕事が忙しくても私や珠里の運動会に必ず顔を出してくれたし、イベントにもきちんと参加をしてくれる、娘想いの夫婦だった。

 そんなふたりみたいに仲の良い家庭を築きたいと、私はいつも思っていた。

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