政略結婚!?箱入り令嬢は俺様社長に愛でられています

 飛鳥井さんと、築けるかな。

 まっすぐにカメラを見据えて、父は堂々と子どもたちの未来についてを語っている。私たち娘だけではなく、日本中の子どもたちのために、世の中のことを本気で考えている。

 私のとなりで父の姿にくぎ付けになっている母は、弁護士として弱い立場の人を守ろうと日々働いている。

 私は自分の両親が誇らしかった。

「ねえ、お母さん」

「どうしたの?」

「ちょっとお願いがあるんだけど」

 だから、私もできることを精いっぱいやろう。

 パールのブレスレットをいつまでも左手首に留めてしまうみたいに、与えられた夢にしがみついている時間は、もう終わりだ。





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