政略結婚!?箱入り令嬢は俺様社長に愛でられています
「あ……社長、おつかれさまです。こちら、弁護士の星崎先生です。労務専門で……」
私が紹介すると、社長はにこっと如才ない笑みを浮かべて手を差しだした。
「鷹野です。本日はありがとうございました。大変興味深いお話でした」
「ああ、あなたが……。いやあ、思っていたよりお若いですね」
握手を交わして短いやりとりをすると、星崎先生はドアの外に立っていた戸上さんに案内されるようにして廊下を歩きだす。
私も見送りをするために後に続こうとしたら、「おい」と低い声に引きとめられた。
「やるじゃないか」
ドア枠に寄りかかったまま私を見下ろす彼は、少しだけ驚いたような顔をしている。