政略結婚!?箱入り令嬢は俺様社長に愛でられています

「……ああ、あいつのことはよく知っている。昔っからな」

「そんなに古いお友達なんですか」

「友達じゃないけどな」

 ぶっきらぼうに言う姿は、強がっているようにも見えた。

 社長室での出来事を思い出す限り、軽口をたたき合える彼と飛鳥井さんが普通の同僚以上の関係だということは明らかだ。

 それなのに……。

「社長は、私と飛鳥井さんの縁談を知って、私に言い寄ってきたんですか?」

 疑問はなんのためらいもなく口から出てきた。

『最後』という言葉は、すべてをあきらめさせるかわりに、私を大胆にさせる。

「仲間うちで、ゲームかなにかをなさっていたんですか?」

 自分でも思いがけず、冷ややかな声だった。

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