政略結婚!?箱入り令嬢は俺様社長に愛でられています
自分の婚約者と鷹野社長が知り合いだと知って最初に思い浮かんだのは、賭けごとだ。
飛鳥井迅の婚約者を、鷹野迅が落とせるかどうか、賭けをする。そんなふうに飛鳥井さんと鷹野社長とのあいだで取り交わしがあったのかもしれない。
そう思ってしまうくらい、目の前にいる彼との出会いは不可解だったのだ。
『俺と最後の恋愛をしよう』
あのとき私に注がれた漆黒の瞳は、あまりにも唐突だった。
「違う」
返された声は鋭利だった。私の考えをすぱりと切り裂くように、社長はまっすぐ私を見ている。
「馬鹿なことを。だいたい、俺の方が先だ」
「え……?」