政略結婚!?箱入り令嬢は俺様社長に愛でられています

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 風が、ひどく乾いている。

 一月半ばの午後六時。夏場ならまだ夕方といえるこの時間帯も、今の時季は夜の入り口のように空は暗い。

 黒田さんの車を降り、ホワイトスクエアのセキュリティゲートを抜けてエレベーターホールにたどり着くまでに、ちらほらと帰宅していくサラリーマンたちとすれ違った。おそらく別のグループ会社の人たちだ。

 定時を三十分すぎたくらいでは、うちの会社の人たちはまだフロアに残っているはずだった。

 エレベーターが到着し、降りていくOLたちと入れ替わるように乗りこむ。ボタンを押して、右手に提げた老舗菓子メーカーの紙袋を持ち直した。

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