政略結婚!?箱入り令嬢は俺様社長に愛でられています
まるでフラッシュバックのように、三か月半前の社長室での出来事が脳裏によみがえった。
彼とは知らずに再会したあの日のやりとりが、頭の中で繰り返される――。
『……桜井真珠、という名前なのか?』
『……はい。桜井です』
「ビジネスネーム……?」
つぶやくと、正解、というように柔らかく微笑んで、迅は私の肩を抱いた。エスコートするように再び廊下を歩き出す。
「謎はすべて解けたかな、お姫様?」
「……ええ。もうこれ以上、秘密がないのなら」
くすりと笑って、彼は答えた。
「俺はいつだって正直に生きてるよ」
そう言って、広間の入口に立つ。