政略結婚!?箱入り令嬢は俺様社長に愛でられています
肺を圧迫するような罪悪感がこみ上げて、私は黙ったまま外を眺めている彼を見つめた。
はっきりとした二重の目にまっすぐ伸びた鼻梁、唇の形もいいし顔全体のバランスも申し分ない。同じように整った顔なのに、飛鳥井さんとあの人とでは、放たれるオーラみたいなものが真逆の色をしている。
無意識のうちにまた比べてしまっている自分に気づき、私は窓の外に視線を移した。
ガラスの向こうに見える街の灯からわずかに焦点をずらすと、窓に映った自分の姿が目に入る。
膝の上に置いた左手首で、ゴールドのブレスレットが鈍い光を放っている。
しばらくとりとめのない話をしていると、吹き抜けになっている一階から「ただいま」という明るい声がした。