政略結婚!?箱入り令嬢は俺様社長に愛でられています
「これからよろしくね。真珠ちゃん」
悪意のない微笑に、引きずられるようにして「はい」と微笑み返す。
私たちのやりとりをじっと見ていた伯父が、ふいに低い声を発した。
「真珠。二十五歳の誕生日まで、あと八日だったな」
「……はい」
「わかっていると思うが、きちんと、身ぎれいにしておくんだぞ」
顔に出さないように気を付けていたのに、ギッと唇を噛んでしまった。ホワイトグループをけん引してきた宿老は、私の一瞬の表情を見逃さない。