政略結婚!?箱入り令嬢は俺様社長に愛でられています
「え、でも昼食のときに」
「早くしろ」
鋭く言い放たれて、私はあわてて書類をファイルから取り出した。
よく考えると、会社のトップに立つ人物に、どう考えても未熟な自分の企画書を目の前で読まれるなんて拷問みたいだ。
かさりとページをめくる音に心拍数が上がっていく。鋭い目で文字を追っていく横顔を、生きた心地がしないまま見つめていると、ふと目が合った。
くっきりとした二重の目は飛鳥井さんと同じように大きいけれど、社長の方が彫りが深い。中身の濃さが表れたような、精悍な顔つきに意識を奪われる。
「……おい、何してる」
低い声で我に返る。
「ただ渡すだけでどうする。説明しろ」