政略結婚!?箱入り令嬢は俺様社長に愛でられています
「じゃあ、あとはルックスと性格ね。でもどうせ、たるんだオヤジなんだろうなぁ。性格がよければセーフかな」
彼女は常々、お金持ちと結婚したいと公言している。
スレンダー美人のみどり先輩ならいくらでも貰い手がありそうなのに、身長は百八十センチ以上がいいとか長男はダメとか、こだわりが強すぎてなかなかお眼鏡にかなう相手と出会えないらしい。
時計の針が午前八時半を指した途端、さざなみ立つように電話をやりとりする声やパソコンのキーを打つ音がフロアを覆い、先輩がたは口を閉じた。私も手元の資料に集中する。
飛鳥商事には及ばないけれど、私たちの会社もそれなりに忙しい。