七つの呪い
宿舎の四階は物置みたいになっていて、普段、学生が近づくことは滅多になかった。
そこの廊下には大きな姿見があった。埃をかぶって所々ヒビがはいった不気味な鏡だ。
俺は今まで二、三回くらいしかその姿見を見たことがなかったが、妙に頭に残っていた。
「あの鏡……実は呪いの鏡だって言われてるんだぜ」
「の、呪いの鏡? それは、どんな風に?」
「俺もよく知らないけど、ある一家全員が殺された殺人事件があって、その家から大家が格安で手にいれてきたらしい…」
「へぇ、なんか気持ち悪い話だな」
「まぁ、先輩から聞いたただの噂話だけどね」