七つの呪い

宿舎の四階は物置みたいになっていて、普段、学生が近づくことは滅多になかった。


そこの廊下には大きな姿見があった。埃をかぶって所々ヒビがはいった不気味な鏡だ。


俺は今まで二、三回くらいしかその姿見を見たことがなかったが、妙に頭に残っていた。


「あの鏡……実は呪いの鏡だって言われてるんだぜ」


「の、呪いの鏡? それは、どんな風に?」


「俺もよく知らないけど、ある一家全員が殺された殺人事件があって、その家から大家が格安で手にいれてきたらしい…」


「へぇ、なんか気持ち悪い話だな」


「まぁ、先輩から聞いたただの噂話だけどね」

< 21 / 108 >

この作品をシェア

pagetop