七つの呪い

「………」


男は無言のまま手を前に突きだす。


男の表情は、どこかむなしさを感じさせ、まるで末期の鬱病患者のようだった。


そして、男の手が姿見に触れると、


ズズ、ズ…………


「うわっ……!!!!」


男は手先から鏡に飲み込まれていき、やがて、男の全身が鏡の中に消えてしまった。
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