七つの呪い
正直、俺はその赤ちゃんの噂がとても怖かった。
だから、いつもは遠回りしてでも、電話ボックスの前を避けて家に帰るようにしていた。
しかし、ある日の夜のことだ。
「やべぇ、もう八時過ぎてる……」
大会前で練習に力を入れすぎた俺は、すっかり帰りが遅くなってしまった。
今頃、親も夕飯を作って心配してるんだろうな…。
仕方ない。
今日は遠回りせずに電話ボックスの前を通って早く家に帰ろう…。
そう思って俺は神社の坂道を上がり、電話ボックスの近くまで来た。
真っ暗な夜の闇の中、薄暗い電話ボックスのライトだけがぼんやりと辺りを照らしている。
それに辺りには人の気配がなく、近くの林から動物の声だけが聞こえ、夏なのに冷たい風が頬をかすめていった。